経橈骨動脈的冠動脈インターベンション(TRI)とは世界で最初に私の友人でもあるキムニー先生(Dr.Ferdinand Kiemeneij)先生 によって行われました。彼は、当時アムステルダム大学医学部付属OLVG病院循環器医師でしたが、カナダのカンポー先生、あるいは日本の大滝先生 が橈骨動脈(手首の動脈)から冠動脈造影を行われた報告を目にして、この新しい経皮的冠動脈インターベンションの方法を考えられました。第一例目 は1992年の夏に行われ、その症例の報告は翌年1993年のCatheterization and Cardiovascular Diagnosis誌に掲載されました。

私、齋藤 滋は1995年10月に台湾・高雄にある長庚記念病院を経皮的冠動脈インターベンションの指導・交流のために訪れた時に 、その病院の呉先生が橈骨動脈から経皮的冠動脈インターベンションおよび冠動脈造影を行っておられるのを実際に目の当たりにしました。ここで、 初めて橈骨動脈アプローチが西洋の人々に比較して体の小さいアジアの人々に対しても行えることを知りました。日本に帰国してから、病院の皆に、 経皮的冠動脈インターベンションの手技を経橈骨動脈的冠動脈インターベンションに変更することを宣言しました。

さて上の写真は私がまだ若く関西労災病院に在籍していた1977年の夏に撮られた写真です。